財団では、わが国の海事研究に資する貴重な資料や図書文献を収集保存し、近藤記念海事財団文庫
として開設しています。この文庫は、昭和6年に近藤記念海事財団創立10周年記念事業として計画し、
日比谷図書館に運用を委託して閲覧を開始しました。戦時中は、日比谷図書館の戦禍により焼失した
図書もありましたが、戦後疎開先から戻った1500部を基に文庫が復活され今日に至っています。
現在では東京都立中央図書館に文庫が移され、図書館の特別コレクションとして利用者の閲覧に供
しています。

今日、我国は世界第三位を占める海事国ではあるものの、残念ながら一般国民の海事に関する知識は
極めて乏しく、海事に関する研究をするにも資料入手が困難な状況にある。海外を眺めるとイギリス、オ
ランダ、ドイツ、イタリア、アメリカ等の諸国では海事図書館が完備しており、いずれも海事の研究調査に
貢献している。我国だけがいまだに設置をみないのはまことに残念なことである。
海事研究資料の保存方法がない我国では、多くの貴重な資料も散逸死蔵され、年月の経過とともにこれ
も滅失し、このままでは将来において収集しようとしても困難になることは明らかである。
わが近藤記念海事財団は創立10年を経て、その間、我国の海事の発達に貢献してきたが、今秋創立10
周年記念事業として海事文庫を設立し、海事に関する研究調査の一助とすることにした。
これは財団の記念事業として極めて適切であるだけでなく、社会的な意義もまた多大なものがあると信じ
てのことである。

場   所

東京都立中央図書館 特別文庫室
住   所 東京都港区南麻布5-7-13
最 寄 駅 東京メトロ日比谷線「広尾」駅下車 徒歩約8分
利用時間 特別文庫室 午前10時〜午後5時30分(開館日)
※詳細な利用方法や開館日などについては、東京都立中央図書館にご確認ください。
昭和6年 近藤記念海事財団創立10周年記念事業として、
海事文庫の設立を計画し、その名称を近藤記念
海事財団文庫と定める。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                                    
昭和6年7月

東京市立日比谷図書館に、近藤記念海事財団
文庫の運用を寄託する。

 
昭和6年10月 近藤記念海事財団文庫は、図書館週間を期して
閲覧を開始する。
 
昭和8年6月 東京市立日比谷図書館より、近藤記念海事財団
文庫の図書目録を刊行する。(所蔵数:約2500点)
 
昭和12年3月 東京市立日比谷図書館より、近藤記念海事財団
文庫図書目録の増補改訂版を刊行する。
(所蔵数:約4000点)
昭和13年 海事関係の資料を、図書購入基金の利子により
収集を始める。
昭和19年2月 戦時中、東京誌料疎開の第二便とともに、海事
関係の和本、貴重書が、都下多摩郡多西村字
草花大行寺境内の経堂に疎開。
 
昭和20年5月 東京都立日比谷図書館が戦災を受け、疎開
資料約1500点を除き、他の近藤記念海事財団
文庫の図書が全焼する。
 
昭和24年

東京都立日比谷図書館の仮庁舎建築落成に
より、疎開された資料が図書館に帰る。

昭和41年3月 戦災をまぬがれた資料を整理して、新たに近藤
記念海事財団文庫の図書目録を刊行する。
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